感情開放コーチング

コーチングで大事なのは、クライアントの行動を何かと比較しない事

これができるのとできないとでは、全然違うコーチングになります。
「これ」とは、「比較しない」ということです。

コーチングをしているとき、コーチはクライアントの話に耳を傾けます。
これは傾聴と言います。

このとき、コーチの頭の中で何が起こるのかと言うと、自分も同じような状況を経験したなとか、これはよく言われている状況と同じだなとか、何か同じようなものを、記憶から引っ張り出してきて、その時の行動やその時にうまくいった行動や手順、セオリーなども一緒に引っ張り出します。

そして、「こうすればいい」という答えが、コーチの頭の中で浮かんできます。
まあ、この時点で傾聴ができていないです。
ここでコーチの頭の中は、クライアントへの興味関心よりも、自分の能力や経験に興味関心が移っていることになります。

でも、コーチは「こうすればいい」などのアドバイスはするなと言われていますので、自分の記憶から引っ張り出してきたものとクライアントの話を比較し、情報として足りない部分を質問します。

こうなったら、コーチは「こうすればいい」に向かわせるために、誘導質問になっていきます。
もしくは、ここでアドバイスをしてしまうコーチもいます。
特に上司が部下にコーチングでヒアリングする時は、ほとんどここでアドバイスですね。質問で聞き出すのに時間がかかるからです。

クライアントは、最初は誘導されているとは分からなかったりしますが、次第に何か変な方向に向かっていると思い始めます。これは、結果的にクライアントが満足できるコーチングになるでしょうか。

このような状況でコーチは、クライアントがもともと完全な存在であることを忘れています。クライアントはコーチが思っている「こうすればいい」を分かって行動していて、それでも何か考えられないのかと思っているかもしれない、ということを忘れている、つまり、コーチがクライアントにマウントをとっているということです。

マウントは、「相手より自分の方が優れている」と示すことだそうですが、そんなことしなくても、普通は自分よりも相手が優れていると思っているからね。
ということは、きっと「自分は周りから尊敬されていない」ということを、無意識に自覚しているからでしょうか。

だから、コーチングは役に立たないと思っている人も増えてきています。
とっても残念です。